巻頭言
新生児の呼吸と循環—surfactantを中心に
永山 徳郎
1
1九州大学医学部小児科
pp.887
発行日 1971年11月15日
Published Date 1971/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202318
- 有料閲覧
- 文献概要
肺と心臓とはもともと不可分の器管であり,機能的には一体のものである。すなわち,呼吸と循環を切りはなして考えることはできないとは,古くからいいならわされている言葉である。肺の病気ではかならず心臓に影響がおよび,心臓の病気ではかならず肺に変化がおこる。前者の極端の場合を肺性心とよぶなら,後者は当然心性肺とよばれてよいだろう。呼吸と循環とを含めた立場から,心肺生理学(cardiopulmonary physiology)が成立する。
私どもは,多年小児の循環器疾患を取扱ってきた。循環器疾患でもっとも重要な分野は,数的にも,質的にも,新生児および乳児期であって,小児循環器学を確立するためには,ぜひこの分野を切り開かねばならない。そして心疾患の病態生理をほりさげてゆくとともに呼吸機能の検索が必要である。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.