Japanese
English
綜説
冠拡張剤の現状と将来
Present and Future Development of Coronary Dilators
橋本 虎六
1
Koroku Hashimoto
1
1東北大学医学部薬理学教室
1Department of Pharmacology, Tohoku University, School of Medicine
pp.809-814
発行日 1971年10月15日
Published Date 1971/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202310
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はじめに
冠拡張剤の現状と将来という題にとらわれて筆をとる。現状と将来というからには過去のことに想いをはせてもよいと思う。正直にいって20年前にはここまで冠拡張剤が開発されると予想していなかった。30年前の私共が医学校を卒業したばかりの時には狭心症にはニトログリセリンが挙げられていただけである。もっとも狭心症という病名の確立されたのはECGができてからのことであるから50年そこそこの歴史しかない。そうすると真実の意味で冠拡張剤の開発が出発したのは,Anrepによってケリン(Khellin)が紹介されてからである。
ニトログリセリンが狭心症に有効であることが判った時をなぜ冠拡張剤開発の原点としないかと疑われる方が多いであろう。だから先ず第一にこれに答えなければならない。
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