Bedside Teaching
Constrictive Heart Disease
関口 守衛
1
Morie Sekiguchi
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
1Heart Institute Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.817-826
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202189
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はじめに
constrictive heart diseaseという疾患概念は,心臓の拡張にさいして血液の充盈が制限される(Constrict)病態を示す心疾患の総括名である。この中には病変の主座が心膜,心筋,ないしは心内膜に存在する下記の疾患が含まれ,それらの病態生理が類似していることが多いので,しばしば一括して論じられる。
1.心膜病変
a.心?液貯溜(急性心膜炎,粘液水腫,心タンポナ ーデなど)
b.収縮性心膜炎
2.心筋病変
原発性心筋疾患(Mattingly1), Fowler2))
特発性心筋症(河合,鷹津3))
収縮性心筋症(Goodwin4)5))
restrictive myocardial disease (Shabetai6))
3.心内膜病変
a.心内膜線維弾性症
b.endomyocardial fibrosis (Davies7))
c.endomyocardial disease (Loffler心内膜炎な ど3))
しかし,おのおの病態生理について若干の相違があるので,本病態の概念的把握をしたのみではbedsideの医師としての任務が遂行されたとは言えない。ことに収縮性心膜炎は外科的治療の対象となるのでこれを心?液貯溜や心内膜,心筋疾患などと正しい方法で鑑別し,治療方針の確立をはからなければならない。
以下に今回の命題であるconstrictive heart diseaseの代表的な病態を示す収縮性心膜炎あるいは心?液貯溜の病態生理の特徴を先ず説明し,次いでこれらと相似た病態を示す心内膜ないし心筋疾患との対比における臨床的アプローチにつき述べる。
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