Update '97
Legionnaires' disease
中村 毅志夫
1
1NHK健康管理室
pp.419
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902158
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Legionnaires’disesase (レジオネラ症)の散発例は少ないので院内感染症の疫学のほうがよく研究されている.outbreakとは,6カ月以内に1つの病院で2名以上の患者が発生した場合をいう.院内感染症の肺炎のうちLegionella肺炎は,0~14%といわれているが,検査をしていない場合もあり,実際はもっと多いと思われる.Legionella sp.は,クーリングタワー,水・温水供給システムの中に常在したり,そこで増殖したりする.水アカや沈殿物のなかにも常在する.至適温度は25℃~42℃である.
感染の危険のある患者は,免疫抑制状態,血液疾患,末期の腎不全,糖尿病,慢性肺疾患,悪性腫瘍の患者,高齢者,喫煙者と小児である.発症するか否かは,細菌の数というよりは,患者の状態,暴露された汚染水が霧状であったか,細菌の毒性などによる.人と人の間の感染はない.健康者におけるIFAによる抗体保有率は0~16%(1:256以上)であるので,最も信頼度の高い検査法は培養である.
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