巻頭言
指尖容積脈波について
久保 克行
1
1三重大学医学部胸部外科
pp.487
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202494
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脈をみることは患者の診察にきわめて重要なことは今さらいうまでもなく,古今東西をとわず患者の病態の把握に不可欠の診察手段の一つである。しかし,脈は全く医者の手先の触覚による主観的なもので,多くの経験をふまねば脈のより深いよみは不可能である。そこで,さらに客観的に脈をみる方法として,脈拍数の計測,血圧の測定,血圧曲線の観察などが行なわれてきている。
脈波をみることは,圧脈波にしろ流量脈波にしろ,また容積脈波にしろ,一般的に客観性をえる方法として貴重ではあるが,簡単にえられる方法が十分開発されていなかった。しかし,最近では二段較正式光電容積脈波計が開発されるに至って,指尖にて簡単に脈波の測定および記録がえられるようになった。
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