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講座
中心静脈圧
Central Venous Pressure
高折 益彦
1
Masuhiko Takaori
1
1大阪大学医学部麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, University of Osaka, School of Medicine
pp.193-200
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202001
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はじめに
近年,外科領域(とくに麻酔科・災害外科・心臓外科領域)といわず,内科領域においてもしばしば中心静脈圧(C. V. P.)を測定し,患者の状態把握に,また治療方針決定に役立てるようになってきた。
その主たる目的は,1)早急に循環血流量の多寡を推測すること,2)心不全の存在を確かめんとするにあるといわれている。しかしながら,検査条件が一定に規定されている場合を除いて,一般臨床例においては患者の状態は個々別々であり,各種治療法・治療薬が循環動態に影響を及ぼし,中心静脈圧の反応態度に変形をきたしている。したがって,(C. V. P.)がいかなる生理学的・薬理学的影響によって変動をうけるかをまずとりあげ,次に個々の症例がそのどの場合に相当しているかを分析することは,患者管理の実際において大切なことと考えられる。本稿においてはこの点を中心に,その他の循環動態諸因子との関係について考察し,さらにC. V. P.測定の臨床的意義についても検討を加えることとした。
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