Japanese
English
綜説
呼吸性アシドーシスにおける腎の役割
Role of the Kidney in Respiratory Acidosis
越川 昭三
1
,
山田 多啓男
1
Shozo Koshikawa
1
,
Takeo Yamada
1
1東京医科歯科大学第2内科学教室
12 nd Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.176-186
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201999
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
酸塩基平衡の調節臓器は,肺と腎である。その一方の肺が障害された場合,他方の腎が重要な役割を果たすことはいうまでもない。呼吸性の酸塩基平衡障害時の腎の役割については,古くから多くの研究があるが,十分に解明されたとはいいえない。たとえば,慢性のhyper—capniaにおける血漿HCO3—とPco2との関係をみると,図1のようになる1)〜7)。これは腎の調節機構が十分に作用したsteadyな状態における成績であるから,この図は腎の調節機構の特性をあらわしていると考えてよい。ここに示されたPco2とHCO3—の関係は,2つの問題を提起する。
1) Pco270 mmHgを境にして直線がカーブし平坦化するものと,カーブしないで直線を示すものがある。平坦化する場合はPco270 mmHgを境にして腎の調節機構に何か質的な変化をきたすと考えられるが,このいずれが正しいか。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.