特集 循環機能の正常値
腹腔循環血行動態
東 健彦
1
1東京大学医学部第1生理
pp.1043-1047
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201703
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1.門脈流入総血流量
測定にあたってはその局在からして必然的に相当大きな侵襲を加えなければならないが,腹腔内諸臓器の血流最,血管の反応性は加えられた手術操作によって大きく影響されるから,表1にみられるように測定値が報告によってひどくまちまちになる。測定時の動脈血圧ももちろん重要な因子である。ヒトについては肝臓以外の腹腔内臓血流を測定する適当な方法がないのでよくわからないが,イヌでの成績にもとづき全肝血流量(800〜850ml/min/m2,BSP法で測定)の2/3〜3/4が門脈由来のものと仮定すれば,門脈に流入する血液量は530〜6410ml/min/m2と推定し得る21)。
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