Japanese
English
症例
起立,運動及び精神的興奮によつて誘発された発作性頻拍症の小児の2例
Paroxysmal Tachycardia Inducid by Standing, Exercise or Emotional Stress. Report of Two Cases in Childhood.
門間 和夫
1
,
小宮 弘毅
1
,
藪田 敬次郎
1
,
大島 正浩
1
,
大国 真彦
1
Kazuo Monma
1
,
Hirotake Komiya
1
,
Keijiro Yabuta
1
,
Masahiro Oshima
1
,
Masahiko Okuni
1
1東京大学医学部小児科学教室
1Dept. of Pediatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.613-618
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201355
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I.緒言
小児期の発作性頻拍症は比較的稀であり4),基礎心疾患としては先天性心疾患,感染及びWPW症候群が約半数を占め,残り半数には器質的心疾患は認められないとされている25)。一方成人の発作性頻拍症のある例に於ては,起立8)30),運動33),精神的興奮16)が誘因となつて,上室性あるいは心室性頻拍症の発作が起ることが報告されている10)20)。これらの事実は心臓の興奮性と自律神経の密接な関連を示す20)ものとして興味深いが,一見健康な青年の過激な運動中の急死の原因の探求に手がかりを与えうるものと思われる。器質的疾患のない心臓の発作性頻拍症の予後は一般に良いと云われているが4)13),稀には突然死をとげる例もあり40),適切な治療が必要である。
著者達は最近運動,起立,及び精神的興奮によつて誘発された発作性頻拍症の2例を経験したので,心電図の所見を中心に症例を報告し,併せて文献的考察を行なう。
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