ジュニアコース 仮定をお忘れなく
短絡,逆流の評価
太田 怜
1,2
,
赤塚 宣治
2
Satoshi Ota
1,2
,
Nobuharu Akatsuka
2
1自衛隊中央病院内科
2東京大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine, the Central Hospital of Self-defence Force
21st Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.411-415
発行日 1968年5月15日
Published Date 1968/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201901
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まえがき
短絡や逆流の有無は,臨床的にこれをある程度推測することができる。すなわち,そのほとんどに特徴的な雑音がみとめられるし,レ線像や心電図を参照すれば,肺動脈や心臓各部の負荷の状態から,その種類も決定することができる。しかし,短絡や逆流が軽度のときは,臨床的方法だけでは,その存在を確認できないことがあるし,心房中隔欠損と肺静脈一部還流異常,動脈管開存とワルサルバ洞動脈瘤右室内破裂,心室中隔欠損と僧帽弁閉鎖不全,などはそれぞれの鑑別が困難なことがある。また,短絡や逆流の病態生理を詳しく観察する必要のあるとき,ことに外科的修復の適応を決定するさいは,それらの定量的観察が必要である。
そのようなときは,臨床的な観察方法だけでは不十分であり,種々の特殊検査が用いられている。その代表的なものについて,評価の心がまえを以下に述べてみたいと思う。
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