ジュニアコース 仮定をお忘れなく
Dcoについて
外村 舜治
1
Shunji Tonomura
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka
pp.319-323
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201889
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
一酸化炭素による肺拡散能力(Dco)の測定は近年ますます普及の兆しがみられるが,一方これからの測定値が果して真の拡散能力を示しているものかどうかという疑問がもたれるようになり,学会,研究会などにおける論争もきわめて盛んである。考えれば呼吸機能検査のうちでも,このDcoの値ぐらい種々のfactorによる影響を受けやすい検査もないであろう。その最も大きな原因は肺を単一の袋とみなした場合の拡散能力であるという大きな仮定であり,当然実際においては肺の種々の不均等分布によって大きく影響されることである。次には測定方法そのものに含まれる仮定であり,これらの問題について現在まで知られている範囲のdataを要約し,以下述べてみたい。ただ今回は"仮定をお忘れなく"というシリーズであるので装置の説明,計算方法などについては省略したい。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.