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特集 呼吸機能障害
第17回日本医学会総会・44シンポジウムより
慢性気管支炎患者にみられるいわゆるPulmonary Cripples
Pulmonary Cripples in the Patients with Chronic Bronchitis
西本 幸男
1
Yukio Nishimoto
1
1広島大学医学部第二内科
12nd Department of Internal Medicine, School of Medicine, Hiroshima University
pp.791-795
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201820
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はじめに
いわゆるpulmonary cripplesは呼吸機能障害に起因した日常生活における活動の制限を意味するもののようで,cripplesという言葉からうける印象は,他人の介助を必要とするような高度の障害があるものを指しているのではないかと思われる。しかしながら,このような重症例には十分で正確な呼吸機能検査を実施することが困難な場合が多いので,ここでは「日常の活動が同年輩の健康人にくらべ著しく劣るもの」と拡大解釈し,またHugh-Jonesの呼吸困難の分類(以下HJ分類と略記)を借用してその程度を表わす指標とした。
またかかる状態を招来する原因としては肺結核・慢性気管支炎・気管支喘息・塵肺・肺線維症など,慢性に経過する多くの疾患をあげうるが,ここでは教室が過去十数年間にわたり観察中の毒ガス傷害者について検討を加えたいと思う。
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