寄稿
特集「酸・塩基平衡」(3月号)によせて
本田 良行
1
1金沢大生理
pp.654-655
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201800
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いわゆるTrans-Atlantic Acid-Base Debateについての私見
New York Academy of Science (NYAS)の主催によって行なわれた"Current concepts of acid-base measurement"のシソポジウム1)以来,酸・塩基平衡の測定とその解釈をめぐっていわゆる北米学派とコペンハーゲン学派の間に論争がくりかえされている2〜5)。本誌の本年3月号にもこの問題の特集6)が行なわれたのは読者の記憶に新しいことである。
第三者としてこの問題を眺めたとき,言葉の定義とその解釈が一致していないことに原因する水かけ論的な要素を多分に感ぜずにはいられない。最大の論点は非呼吸性の酸・塩基平衡のパラメーターはbase excessかbicarbonateであるべきかという課題であろう。このことにつきWintersの述べた酸・塩基平衡に関する二つの言葉の分類は再認識される価値があるのではなかろうか。
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