Japanese
English
臨床
神経循環無力症
Neurocirculatory Athenia
斎藤 十六
1
Soroku Saitoh
1
1千葉大学医学部第二内科
12nd Department of Internal Medicine, School of Medicine, Chiba University
pp.379-386
発行日 1967年5月15日
Published Date 1967/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201770
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はじめに
この小文の目的は,主として内科医のために,(1)神経循環無力症neurocirculatory asthenia (NCA)の臨床には,心理学的な理解が,現在,考えられているよりも,もっともっと大切であるということと,(2)精神現象と自律(植物)神経系の関係について,近年,行なわれた業績のいくつかを付け加える点にある。
米英ではNCA (Kessel et Hymann, 1923)が広く使われているが,ヨーロッパ大陸では,「精神・植物神経性」 psycho-vegetative,または,「機能性」心・脈管障害兆候ということばも用いられている。多くの同意語があることは衆知のとおりであるが,その理由はFriedberg1)もいうように"ill-defined"なためでもある。しかし,術語の生まれた理由は,命名者の創見であることも考えれば,むげに統一してしまうわけにもゆかないだろう。
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