解説
医用電子装置に対する考え方
藤本 淳
1
Kiyoshi Fujimoto
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adults Diseases, Osaka
pp.1151-1153
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201720
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1.呼吸循環系の研究での測定装置の変遷
呼吸循環系の測定を行なうさいに種々の物理量を取り扱うが,成績をまとめるために記録が行なわれる。このさいの測定装置としては,機械的方法が行なわれてきた。血圧や呼吸の曲線を描記するために,U字管マノメーターの浮子の動きより血圧を,ゴム製タンブールのゴム膜の動きより呼吸曲線をとり出してスス紙の上に描記することが行なわれた。動物実験室には,万能記録器と称する円璹が回転する,装置や紙にススをつける装置や記録を固定するニスなどが常置されていた。もちろんこれらの装置は取り扱いも比較的容易で,現在なお有用なものである。しかし,記録された表示量を拡大したり縮小したりあるいは制御量として使用することには不便があり,現在では電気量に変換して取り扱うことが広く行なわれている。すなわち,圧記録にはエレクトロマノメーターが用いられ,呼吸曲線の記録に,胸廓運動を抵抗計や鼻腔での気流を電気的に変換して行なわれている。しかし記録される表示量は機械的に行なわれる場合,1mmHgが1mmの大きさというように感覚的の大きさに一致しているが,電気的に行なう場合,記録器の条件により拡大もしうるが一般には縮小されてくる場合が多い。このことはPatternな観察するさいには描記されたものを錯覚することがあるので,注意しなければならない。このためには記録器も種々のものが導入され,てきた。
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