Update '98
医用画像の電子保存
村田 晃一郎
1
1北里研究所病院放射線科
pp.161
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902387
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永らく画像診断の主役であったアナログのX線写真も,CR (computed radiography)やCT,MRIといった新しいディジタルの画像診断機器に主役の座を譲りつつある.また情報化という現代社会全体の大きな潮流の中で,紙またはフィルムで保存することが原則であった診療諸記録も「改ざんの恐れがないことが担保されていれば,電子媒体へ保存しても違法でない」(「帳票記録の厚生省見解」1993年厚生省健康政策局指導課監修.『医療監視必携』より)とされるようになった.そして1994年3月には「X線写真等の光磁気ディスク等への保存について」という厚生省健康政策局長通知が出され,医用画像の電子保存への道が開かれたのである.
具体的には,厚生省の示した,①安全性,②長期再現性,③共通利用性の3つの技術的基準に則り,(財)医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)が制定した共通規格の技術的基準を満たし,MEDIS-DCから発行される「電子保存の適合性証明」を受けた機器を用いて保存する場合にのみ電子保存が認められている.これは裏を返せば,一般のパソコンショップで購入した安価な光磁気ディスクなどを用いて画像データを保存したとしても,法的に医用画像を電子保存しているとは認められないことを意味している.
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