Japanese
English
装置と方法
酸素電極
Oxygen Electrode
藤本 淳
1
Kiyoshi Fujimoto
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka
pp.1127-1130
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201717
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はじめに
電解性物質の中に電極を挿入し電圧をかけると電流が流れる。この現象は陰極で還元がおこり,陽極で酸化が行なわれることによるものである。このさいの電流の大きさは電圧と電解性物質の構成により決定される。そこで種々の大きさの電圧をかけ電流を測定し,電圧と電流の関係を図表上に描くと1つの曲線が得られる。これがポーラログラム(polarogram)とよばれる(図1)。ポーラログラムをみると,ある電圧から陰極での還元が始まり,電圧を増加すると電流は電圧に比例して増加するが,ついには電圧を大きくしても電流が増加しないいわゆる平坦部がみられる。この曲線は電解性物質の構成により特徴的であるので,定性分析に応用される。これがポーラログラフィーとよばれている方法である。また,曲線が平坦部に入る点は還元物質の電解への移動速度が一定となる点で,限界点とよばれ,この点の電流は限界電流とよばれている。したがって,限界点の電圧をかけたさいの電流の大きさは溶液中の物質の濃度に比例して決定される。この原理を応用して既知物質の定量分析を行なうことができる。これが酸素電極や水素イオン電極の場合に相当している。したがって,これらの電極による測定はポーラログラフィーではなく,正確には電流の大さを測定するアンペロメトリー(amperometry)ということになる。
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