基礎から応用へ
生体と電極
三上 智久
1
1北大応用電気研究所
pp.20-23
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200726
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臨床生理検査では,皮膚上に電極を置き,生体内にある脳細胞や心筋などの活動電位に関する情報を得ようとする項目が比較的多い.電極は増幅器,記録器といった計測機器と生体とを結んで,情報の橋渡しをする重要な役割を持たされているが,それだけに常に電極の装着状態には神経を配っていなければならない.装着が悪ければ,どんな優れた増幅器を使っても,情報に歪みを起こし満足のいく記録波形を得ることはできない.
病室や手術場といった,交流障害やその他の雑音の入りやすい場所でも,脳波や心電図の微細な信号を取得しなければならないので,これらの増幅器は雑音に強い差動増幅方式をとっている.しかし,電極の付け方しだいでは,せっかくの手だても効率を下げてしまうことになる.もちろん,患者に不安感や苦痛を与えることも,正しい波形が得られなくなる原因の一つになるが,ここでは全く物理的な理由から情報取得を乱すものについて分析し,考察していくことにする.
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