Laboratory Instrumentation
酵素電極
高阪 彰
1
1名古屋大学・病院検査部
pp.556-559
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914757
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酵素固定化の技術の進展に伴って,固定化酵素を用いた臨床検査が脚光を浴びているが,特に固定化酵素と電極を組み合わせた酵素電極(生物電気化学センサー)の進展には目覚ましいものがある.電極反応はポテンシオメトリーとアンペロメトリーに大別される.酵素反応によってアンモニウムイオンやシアンイオンなどのイオンが生成あるいは消失する場合には,イオン電極によって検知することができ,この方式をポテンシオメトリーと言うが,共存する類似イオンの影響を受けやすいなど実用的には問題も多い.酵素反応によって生成あるいは消費されたO2を電極反応によって検知したり,H2O2の酸化電流によってH2O2を直接電気化学的に検出するアンペロメトリーは応答時間が比較的短いこと,試料と電極が直接接することがないなどの利点を有する.
表に近着外国誌に紹介された酵素電極を用いた分析装置の市販品一覧表を示すが1),これらのうち現在我が国で入手可能な製品はYSI 23A型グルコースアナライザーのみであるので,今回はこのグルコースアナライザーを中心にその特徴を解説したい.なお国産品に関しては現在多くの施設や会社で開発途上であるが,味の素K.K.より腎透析中のモニターを目的とした尿素窒素分析計が発売されている.
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