学会展望
第62回内科学会
細野 清士
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.81-82
発行日 1966年1月15日
Published Date 1966/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201547
- 有料閲覧
- 文献概要
第62回内科学会(会頭慶大三方一沢教授)は昭和40年4月1〜3日東京サンケイ会館において行なわれた。天候にも比較的恵まれて非常に盛会であり,宿題報告,シンポジウムの時には広いサンケイホールも立錐の余地もないほどであった。目新しい点はその方面の長老の方が座長顧問となり,関係の演題が終った後に総括を述べられたことである。呼吸器・循環器関係の演題のうちで筆者の印象に残ったものを簡単に紹介する。
呼吸器に関する演題は第一日の午前に第一会場で,座長顧問堂野前博士,座長岡教授,ついで座長顧問石田博士,座長北本教授で行なわれた。東北大中村教授は分布関数を導入し,85Kr肺内稀釈曲線,CO2,N2単一呼気濃度由線,色素(Coomasie blue)稀釈曲線について健康者と肺気腫などの肺疾患とを比較検討した。名大青山内科竹氏は肺胞気—動脈血間ガス分圧較差(A-a Do2,a-ADco2)の成績からalveolar function diagramをつくり,閉塞性肺疾患の換気血流関係の総合分析を行なった。東医歯大大淵教授は慢性肺疾患および動物実験において,低O2,高CO2吸入試験を行ない,動脈血py—ruvate, lactateの変化,excess lactateなどについて検討を加えた。奈良大宝来教授は年来のじん肺研究の一環として遊離珪酸粉末の経気管肺内注入による肺組織のコラゲン量の変化を追究した。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.