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文献抄録
Starlingの法則に関する研究IX静脈還流を減少せしめることが人間の正常な左心及び不全状態の左心の機能(performance)に及ぼす影響について—John Ross, JR.,M.D. and Euggene Braunwald, M.D. Circulation,30:719-727,1964./肺の圧・容量関係の特性の分析—Salazer, E and Knowles, J. H.:J.Appl.Physiol.,19(1):97〜104,1964
Studies on Starling's Law of the Heart, IX.The effects of impeding venous return on performance of the normal and failing human left ventricle./An analysis of pressure-volume characteristics of the lung.
pp.254,304
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201432
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心肺標本で観察されたStarlingの曲線における下行脚が,人間の心臓についてどうであるかを解明しようとした研究は多いのであるが,従来は色々な方法による静脈還流の減少の影響を右心系で観察していたため必ずしも成績が一致していない。箸者等は左心系の態度を観察することがこの問題に関してより直接的な方法であるとして次の臨床実験を行なった。
14例の患者に経中隔左心カテーテルを行い,同時に下大静脈に挿入したballoonによって静脈還流を威少せしめることによる左心の血行動態の動きを観察した。臨床的にも血行動態的にも左心機能障害のない患者5例では,balloonをinflateすることにより全例において左室拡張期終末圧の下降(2〜12mmHg,平均5mmHg),心係数の減少(0.43〜3.12L./mtn./m2),左室1回拍出量の減少,左室分時仕事量の減少を認めた。次に9例の左室機能障害のある患者(NYHA Ⅱ〜Ⅳ度)のうち6例の心係数は2.5L./min./m2以下で左室拡張期終末圧は7例で12mmHg以上に上昇していたが,balloonをinflateすると,全例で左室拡張明終末圧は下降し(2〜7mmHg.,平均10mmHg.),8例で心係数のは減少(0.23〜1.61L./min./m2,平均0.61L./min./m2),左室1回搏出量の減少を示し,6例で左室分時仕事量の減少を認めた。
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