Japanese
English
綜説
非エステル型脂肪酸の意義
The Significance of Non-esterified Fatty Acid.
五島 雄一郎
1
,
中村 治雄
1
Yuichiro Goto
1
,
Haruo Nakamura
1
1慶応大学医学部相沢内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.557-563
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201346
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はじめに
脂肪酸は基本的には生体内で酸化されてエネルギーを産生する基質となるか,あるいは脂肪酸を主成分とする複合脂質を形成して,細胞および細胞内微細顆粒の構成にあずかつている。かかるエネルギー源としての脂肪の供給,あるいは大きい速度で交替している構成成分の脂肪酸の補填に,その脂肪酸の源,およびその転送系は,生体にとつて重要な意義を有することとなる。
また各臓器あるいは組織は,それ自身ある程度脂肪酸を産生し,利用し得るが,分化した各臓器あるいは組織においては,産生と利用が,かなり機能的にも分離しており,その間を結合する脂肪酸の転送系が,生体内の恒常性を保つ上には意義深いものとなつている。
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