巻頭言
医学生の為の英語教育のレベル
友松 達弥
1
1神戸医科大学内科
pp.391
発行日 1964年6月15日
Published Date 1964/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201323
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今年第三回アジア太平洋心臓病学会(3APCC)が5月10日から5日間京都で開催される。着々と準備が進められている。日本循環器病学会としてはこれが始めての国際学会である。我が国では既に幾度か国際医学会が行なわれて多大の成果を挙げられ,主催者は貴重な体験を積まれたに違いない。国際学会の開催には踏破しなければならぬいくつかの問題があろうが,言葉はその一つである。殊に我が国では,常に誰もが悩まされる問題である。過言を顧みずいうならば3APCCの成否もこの問題の解決手段にあるともいえる。ここで昨年10月12日慶大で行なわれたReischauer大使の"Living English in the World Today"という演説から二,三のことを引用させていただく。日本語はIndo-European lan—guageでない重要国の一つであり,同様に中国語,韓国語もそうであるが,中国語は構文が近代英語と類似し,韓国語は日本語に似ているが,発音法が複雑である利点があるから,結局日本人は第二の国語をものにするという点で最も重大な問題に直面するだろうと彼は認めているのである。そして彼は英語にしろ日本語にしろこれをものにすることの難しさをのべている。
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