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ナースの為の医学概論(1)
藤本 省一
1
1京都第一赤十字病院高等看護学院
pp.33-38
発行日 1957年1月15日
Published Date 1957/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910265
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はしがき
戦後ナースの教育課目に医学概論が加えられている。誠に必要なことであり当然のことでもある。しかし現在教科書或いは,参考書としている書物をみると或る物は非常に哲学的内容に傾き,むつかしくて吾々にも理解が困難であつたり,或る物は余り平易に過ぎて医学概論としてナース諸姉が物を考えることに一向役立つと思われない物がある。私は今日まで高等看護学院で数回医学概論の講義を担当して来た。私自身にも非常に勉強になつた。今日まで考えてみる機会のなかつたことを改めて考える事が出来た。そして出来るだけ深味のある内容を平易に講義することに努力したつもりである。与えられた時間が15時間なのでいつも8回講義をするのが例となつていたが,講義の原稿を一度整理して此れを発表し,各看護学院で医学概論を担当しておられる先生方や現在講義を受けておられる人及び既に講義をうけられて今日では此れを実際生活の中で体験しておられるナースの諸姉から深刻なる批評を頂きたいと考えていた。又数の限られているナース教育に従う人々と意見交換の機会をつくることゝもなると思つたので此れを発表する気持になつたのである。遠慮なき御批判を希望する。
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