扉
医学生と英語
河島 雅到
1
1国際医療福祉大学医学部脳神経外科
pp.655-656
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203789
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2017年4月に千葉県成田市に国際医療福祉大学医学部が開設された.私は縁があって九州より同校に赴任することとなった.医学部は京成本線「公津の杜」駅前にあり,今春入学した新入生を含め,1,2年生が勉学に励んでいる.現在,成田空港の隣に附属病院を建設中であり,東京オリンピックが開催される2020年4月に開院予定である.各科の教授はすでに決定しているが,臨床の場が当地にないため,グループ内の病院に分散して臨床を行っている.私は現在東京都港区にある三田病院で脳神経外科診療に従事し,授業の際は成田市へ出かけている.皆さんご存知の通り,医学部新設は40年ぶりのことである.私自身わからないことが多く苦労しているが,一方でこの不思議な状況を少しずつだが楽しむようになってきている.
これまでいくつかの大学医局に在籍した.その間,臨床・研究・教育という三本柱のバランスをとるのには常に苦心した.私の第一の主眼は臨床におかれていた.手術の腕前はまだまだ未熟だが,脳神経外科医として手術を安全・確実に行えることが私のfirst priorityであった.次に重視したのが論文作成である.基礎研究は苦手であったが,臨床ネタを地道に拾いながら英文論文を書いてきた.そして,最後に来るのはいつも学生教育である.これは自分の学生時代の経験が多分に影響していると思う.お恥ずかしながら「学生は放っておいても国試くらい通るだろ!」「学生はできるだけ遊んで人生経験を広げなさい」などとうそぶいてきた.本校に赴任してからはこの考えが180度変わった.
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