Japanese
English
症例
Ebstein氏病の2症例
Two Cases of Ebstein's Anomaly.
大西 正一
1
,
角田 均
1
,
田中 惇
1
,
駒田 道子
1
,
竹沢 英郎
1
,
井土 熊野
2
,
山本 利雄
3
,
草川 実
3
Shoichi Onishi
1
,
Hitoshi Kakuta
1
,
Atsushi Tanaka
1
,
Michiko Komada
1
,
Hideo Takezawa
1
,
Kumano Izuchi
2
,
Toshio Yamamoto
3
,
Minoru Kusagawa
3
1三重県立大学医学部高崎内科
2三重県立大学医学部小坂内科
3三重県立大学医学部胸部外科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Mie Pref. University.
2Department of Internal Medicine, School of Medicine, Mie Pref. University.
3Department of Chest Surgery, School of Medicine, Mie Pref. University.
pp.141-147
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201295
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I.緒言
Ebstein氏病は1866年Ebstein1)がうつ血性心不全によつて死亡した19歳の男の死後,剖検によつて初めて発見記載した先天性心疾患の一つであつて,解剖学上の特徴的な変化は三尖弁が下方に転位し,右心房が極度に拡大し,これとは対照的に右心室が極めて小さくなつているものである。即ち,三尖弁の前弁は房室線維輪より発しているが,後弁及び中隔弁は右心室内に深く浸入癒着の形で下方に転移しているので,痕跡的となつている。従つて本来の右心室は三尖弁によつて右室近位部と,右室遠位部の二つに分けられることとなる。前者の近位部は右心房と連続し心房化したみかけの心室で,後者の遠位部は心尖部及び肺動脈円錐部よりなつて極めて小さいが,これが右心室としての機能を営んでいるのである。本症は心房中隔欠損症,心室中隔欠損症を単独に又合併して伴うことが多く報告されている2)3)。私達は最近臨床的にEbstein氏病と診断した2症例を経験したので本邦における症例と比較検討を加えてみた。
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