Japanese
English
Ebstein氏病の症例
Ebstein氏病—臨床的に診断し得た1例
Ebstein's Disease:Report of a Case Diagnosed During Life.
佐藤 文雄
1
,
三枝 正裕
1
,
渡辺 弘
1
,
古田 昭一
1
,
天野 景明
1
Fumio SATO
1
,
Masahiro SAIGUSA
1
,
Hiromu WATANABE
1
,
Shoichi FURUTA
1
,
Kageaki AMANO
1
1東京大学木本外科
1Department of Surgery, Tokyo Uuiversity School of Medicine.
pp.47-54
発行日 1958年1月15日
Published Date 1958/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200582
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Ebstein氏病は1866年Ebsteinにより初めて記載された先天性心疾患で三尖弁の下方転位をその本質的な特徴とするものである。
三尖弁の内,前弁は房室線維輪より発しているが後弁及び中隔弁は下方まで右心室壁に附着してその弁膜としての機能を営む部分は非常に小さく痕跡的となり,かつ相互の弁膜の間には癒合変形がみられその結果三尖弁は右心室内に深く下方転位を来すことになり,第1図に示すように右心室は右心房と連続した近位部即ち所謂"心房化した右心室3)"と遠位部即ち本来の右心室としての機能を営む部分との2部に分たれる。近位部は非常に大きくかつその壁は極めて薄く,また遠位部はわづかに右心室の心尖部及び肺動脈円錐部よりなり心室壁は薄く,Adams17)の例では右心室の上4/5が心房化し,残りの1/5が本来の右心室としての機能を有していたという。殆んどのものが卵円孔開存または心房中隔欠損を有するがこれらの認められなかつた例も報告されている。
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