Japanese
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綜説
THAM—呼吸性アシドーシス,とくにCO2中毒症候群に対する影響について
THAM
笹本 浩
1
,
片山 一彦
1
,
岡崎 敬得
1
,
鈴木 清
1
,
高木 康
1
,
桑原 弘信
1
,
伊達 俊夫
1
,
滝沢 進
1
,
島田 英世
1
,
福田 昌且
1
,
中島 享
1
,
雨宮 公一
1
Hiroshi Sasamoto
1
1慶応大学医学部石田内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.412-422
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201216
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I.はじめに
肺胞性低換気の結果としておこる呼吸性アシドーシスの臨床的意義は近頃やつと知られ始めたにすぎず,多くの場合は見逃され,また適切な対策がとられないために死の転帰をとる例が少なくないと思われる。近年肺の病態生理学の発達にともない呼吸性アシドーシスの解明,治療に新しい薬剤の投与が試みられ幾多の発表をみている。
Van Slyke1)のalkali reserveの概念は,Sin—ger2)のbuffer baseという概念によつて,より合理化され今日におよんでいるが,そしてわれわれはSingerの作成したモノグラムより比較的簡単に,その酸塩基平衡と,その障害の呼吸性ないしは代謝性あるいは混合性のいずれかを判定している。呼吸性アシドーシスはCO2分圧の上昇(正常値は40mmHg),呼吸性アルカローシスは低下している場合を,代謝性の障害はbuffer baseの増加(正常値は約50mEq/L)している場合を代謝性アルカローシス,減少している場合を代謝性アシドーシスとよんでいる。
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