メディチーナジャーナル 呼吸器
CO2ナルコーシス
鈴木 清
1
1東京医歯大・第二内科
pp.286
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200708
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肺の機能であるO2とCO2のガス交換が障害されると,血中のガス組成が変化する。血液ガスの異常は,1)動脈血O2分圧の低下(anoxic anoxemia),2)動脈血CO2分圧の上昇(hypercapniaまたはrespiratory acidosis)となつてあらわれてくる。O2不足であるanoxemiaは古くより知られ,その対策もO2欠乏によるチアノーゼなどの症状をともなうので発見し易く,治療面においてもO2吸入より改善しやすい。一方hypercapniaの状態になると多くの場合みのがされ,ついに死の転機をとることがある。これを診断するにはCO2蓄積とO2不足がともに存在しているので血液ガス分析によらなければむつかしい。
最近肺の病態生理学でhypercapniaまたはこれの末期であるCO2中毒症候群(肺性脳症)はその成因,診断および治療が注目されているので,これについて要約をする。
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