巻頭言
肺機能検査法への希望
和田 直
1
1広島大学医学部内科学教室
pp.411
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201215
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肺生理の研究は近年ことに最近の10年間に大きく躍進し,すこし以前の生理学に較べるとその進歩はまさに驚くべきものである。試みに,肺生理の研究を志す者にとつて必読の書として親しまれているComroe等の著書"The Lung"をながめてみよう。この本の第1版は1955年に219頁の青表装として発行されたが,最近手許に届いた1962年の第2版は390頁の赤表装となつており,その内容は各章にわたり根本的に書き改められていて,全く別の書物の如き感をいだかしめる。
このように肺生理学の水準は最近急に上昇したが,わが国においても若い世代の有能な人々がこの方面の研究に興味をいだくようになり,米国その他諸外国に学んで新しい知識と技術を習得し,熱情をもつて研究を開始続行するようになつたことは誠に喜ばしい次第である。
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