講座
CO2 Dissociation
伊達 俊夫
1
Toshio Date
1
1慶応義塾大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.37-43
発行日 1968年1月15日
Published Date 1968/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201859
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はじめに
組織代謝の終末産物として生産されたCO2は血液によって肺に運ばれ,ガス体として呼気中に排泄されるが,血液がCO2の運搬体として非常に有効に働いていることは,血中に含まれるCO2の総量が,水に溶解するCO2の約20倍に達することからもうかがわれる。さらに血中CO2の大部分がNaHCO3の形をとって,重炭酸緩衝系を作り,血液酸・塩基平衡恒常性の維持に重要な役割を演じていることは周知の事実であり,血中CO2の状態を把握することは,血液ガス,酸・塩基平衡の病態生理を知る上に必要なことはいうまでもない。
以下,CO2 dissociationを中心に,血中CO2の形,その量的関係などについて,初歩的解説を試みた。
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