Japanese
English
診療指針
高血圧症に対するHydrochlorothiazideの使用
Some Experiences in the Use of Hydrochlorothiazide in Hypertention.
笹本 浩
1
,
伊達 俊夫
1
,
横山 剛
1
,
岡崎 敬得
1
,
佐藤 昭雄
1
,
中川 晨
1
,
高木 康
1
,
中村 芳郎
1
,
雨宮 公一
1
,
近藤 義智
1
H. Sasamoto
1
,
T. Date
1
,
G. Yokoyama
1
,
T. Okazaki
1
,
A. Sato
1
,
A. Nakagawa
1
,
Y. Takagi
1
,
Y. Nakamura
1
,
K. Amamiya
1
,
K. Kondo
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1School of Medicine, Keio University.
pp.255-261
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200876
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NovelloとSprague1)によつてChlorothiazideが合成され,著明な利尿および降圧作用が認められて以来,この方面の研究は急速に進められ,最近多くのThiazide誘導体が合成されるにいたつた。
Hydrochlorothiazide (Esidrex,チバ製品K.K.を用いた)は第1図のごとき構造を有し,Chloro—thiazideとほぼ類似の利尿作用をもつThiazide誘導体で,その効力はChlorothiazideの約10倍といわれている。一方本剤はChlorothiazideと同様に降圧作用をもつことが認められて,有効かつ無害な降圧剤として注目されつつある。本剤の副作用については,水分電解質を中心として論ぜられており,その長期連続投与のさいに血清ナトリウム,クロールおよびカリウム低下の危険性が警告されているが,いまだ必ずしも明らかではない。そこでわれわれは本態性高血圧患者を中心として,Esidrex維持量長期連用のさいの降圧効果および水分電解質代謝の変動と,それに対する対策について検索したので,日常臨床における診療の参考にもと,ここに記述するしだいである。
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