Japanese
English
原著
凝血薬に対するヘパリンの作用と濃厚水溶液の使用経験について
The Function of Heparin to Coagulation System and Experience of the Usage of Conc-Heparin Solution.
山中 学
1
,
菊池 晃
1
,
山崎 健吾
1
,
松村 俊彦
1
Manabu Yamanaka
1
1東京大学医学部吉利内科
1Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Univ. of Tokyo.
pp.387-392
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201212
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I.はじめに
抗凝血薬が,急性心筋梗塞などの血栓・塞栓症の発生あるいは進展防止に有効であることが知られ,近来わが国においても広く用いられるようになつた。現在一般に使用されているのは非経口的薬剤(ヘパリン及びその類似物質)と経口的薬剤(クマリン及びインダンジオン系物質)とに大別される。
ヘパリンの抗凝血作用は極めて複雑で,未解決の点も少なくないが,接触作用,第I相,第III相および間接的な第II相の抑制という,凝血反応の全相にわたり抑制作用を示し,その作用発現は極めて迅速で,in vivo, in vitroを問わない。経口投与が不可能で,静注,筋注あるいは皮下注などによらなければならない点,抗凝血作用のほかに血小板凝集の阻止,脂血清浄作用などをもつことは,クマリンなどの経口的薬剤と異る点である。
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