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診療指針
抗凝血薬—薬量調整のための測定法と投与法について
Anticoagulant
山中 学
1
Manabu Yamanaka
1
1東京大学吉利内科
1Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.675-681
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201140
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はしがき
欧米諸国において約20年4)25)の長い歴史をもつ,血栓症あるいは塞栓症などに対する抗凝血薬*1治療が,最近わが国でにわかに注目され盛に論義されるようになつた。しかし乍ら本療法の適応や効果についてはこれらの諸外国においてさえも未解決な点も決して少くない。さらにわが国における実情や,各種疾患の成立病理や疫学などにおいて,諸外国と同一に論じてよいかにも問題がある。それらは血栓の成因や,血栓の発育発展と血液凝固性との関係が未だ充分に解明されていない現在においては,適正な対照例をおいた多数の臨床例の長期にわたる観察によって判定されるべきであって,わが国の研究者に課せられた大きな課題であろう。本療法についてはわが国でも2)12)15)18)19)21)33)35)38)既に多くの論文が発表されているが,本稿においては本療法の適応や効果については一切言及せず,抗凝血薬の作用,投与法,投与時の凝血学的測定法など,実際面を主として述べることにする。
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