今月の主題 狭心症—各種治療手段の適応
薬物療法
抗血小板薬,抗凝血薬
鷹津 良樹
1
,
服部 隆一
1
,
由井 芳樹
1
,
河合 忠一
1
1京都大学医学部・第3内科
pp.1520-1521
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220525
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心筋梗塞予防薬としての抗血小板薬
抗血小板薬を虚血性心疾患の治療に応用する試みは,心筋梗塞に対する予防的投与に始まる.多くの施設によりさまざまな研究がなされたが,陳旧性心筋梗塞患者を対象に行われたPersantine Aspirin Reinfarction Study(一般にPARIS studyと略称)1)により,アスピリンとジピリダモールの併用療法がプラセボ投与に比べ再梗塞を有意に減少させることが明らかとなった.さらに同薬の併用療法は冠状動脈バイパス手術後のバイパスグラフトの開存率を有意に上昇させるとの報告もなされた2).しかし,これらの研究においてアスピリンやジピリダモールなどのいわゆる抗血小板薬は,あくまで血栓形成に対する予防薬として投与されたと解釈すべきである.
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