診療指針
Endocardial Fibroelastosis
玉木 正男
1
,
平野 長熙
1
,
林 文子
1
,
小松田 道雄
1
,
村田 雄三郎
1,2
,
中村 正
3
,
中山 巖
4,5
1長崎大学放射線医学教室
2長崎原爆病院放射線科
3長崎原爆病院小児科
4長崎原爆病院附属研究所
5長崎大学松岡病理教室
pp.547-555
発行日 1962年8月15日
Published Date 1962/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201120
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I.緒言
Endocardial fibroelastosisは原因不明の先天性心疾患で,心内膜が主として弾力線維性の非炎症性肥厚を来たすものであり,主として左心が侵され,心筋も肥厚し,心臓は非常に拡大する。その多くは突発するうつ血性心不全の症状のもとに2才迄に死亡する。以前には"fetal endocardi—tis"と考えられていたようであるがCraig(1949)7),Prior及びWyatt(1950)等36)の研究により病理学的に全く独自のものであることが広く認められるようになつた。
病名についても未だ完全な統一はみられず,次のものは本病を意味するものと考えられる。即ちEndocardial fibrosis5),Endomyocardial fib—roelastosisis15),Endocardial dysplasia36),Pre—natal fibroelastosis41),Endomyocardial scle—rosis and hypertrophy33),Endocardial scle—rosis4)6),及びCongenital idiopathic cardiac hypertrophy47))等々があるが現在ではWeinberg及びHimelfarb(1943)46)の提唱するEndocar—dial fibroelastosisと云う病名が広く用いられている。
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