Japanese
English
第1土曜特集 間質性肺疾患の研究と診療UPDATE
診療
【注目されるびまん性肺疾患】
Pleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE)
Pleuroparenchymal fibroelastosis
石井 寛
1
Hiroshi ISHII
1
1福岡大学筑紫病院呼吸器内科
キーワード:
PPFE
,
残気率上昇
,
扁平胸郭
,
弾性線維
,
バイオマーカー
Keyword:
PPFE
,
残気率上昇
,
扁平胸郭
,
弾性線維
,
バイオマーカー
pp.101-105
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28301101
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Pleuroparenchymal fibroelastosis(PPFE)は上肺野に優勢な肺線維症であり,病状の進行とともにやせと胸郭の扁平化が進むのが特徴である.特発性PPFE(IPPFE)は特発性間質性肺炎(IIPs)のまれな病型のひとつに分類されているものの,呼吸器内科医が遭遇する機会は決して少なくない.病理組織学的に胸膜直下の弾性線維の帯状集簇,肺胞中隔の弾性線維化,肺胞内の線維化がみられるが,気胸の併発や難治化の懸念から,外科的肺生検は回避される傾向にある.臨床的な診断は画像所見に加えて進行性の経過,生理学的特徴を加味して行う.呼吸機能検査における残気率の上昇は,間質性肺疾患のなかでもPPFEに特異的な所見である.下肺野の線維化病変に対して抗線維化薬の使用が考慮されるが,確立された治療指針はない.弾性線維形成を反映するバイオマーカーの確立と,それらを抑制しうる治療戦略を見出すことが課題である.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.