Japanese
English
講座
電子計算機の呼吸生理学への応用
Analog Computer and Respiratory Physiology
山林 一
1
,
田辺 玄三
1
,
外村 舜治
1
,
一之沢 昭夫
1
,
藤本 淳
1
Hajime Yamabayashi
1
1大阪成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka
pp.457-466
発行日 1962年7月15日
Published Date 1962/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201109
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
私達医学の研究にたずさわる者が電気計算機という言葉をききますと,それは私達の理解力をはるかにとび越えた恐ろしく複雑な機構をもつており,高度の数学の知識と電子工学の技術をもつ科学者だけが扱い得るものであると考え勝ちです。確かにこの事は電子計算機の一面の事実で最近のボストーク3,4号の宇宙旅行も電子計算機なくして,恐らく数百年はかかつたであろうと考えられますが,又一方その生物学或いは医学への応用面に於いて必ずしもこうした知識と抜術を必要としない分野がある事も事実です。医学への応用分野に於ては最近神経生理或いは循環生理への利用が盛んになりその有用性が次第に認識されつつあり,大学或いは大病院にstandard equipmentとして電子計算機がそなえられる日も遠くはないという人もある位です。
電子計算機は大きくdigital computerとana—log computerにわける事が出来ますが,この二つの間には可成り大きな質的な相違があります。digital computerは簡単に言いますと,数(num—ber)を算術的に操作する事によつて演算を行いますので普通私達がよくみますdesk calculatorの様なものです。勿論digital computerが行う計算はどれもが人間の手でする事が出来ますがただ機械はそれを自動的にしかも非常に速く行うだけです。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.