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文献抄録
僧帽弁狭窄の保存療法と外科療法の比較—Boyle, D. McC.:Brit. Heart J.23(4):377〜382, July 1961,他
A comparison of medical and surgical treatment of mitral stenosis
pp.140
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201071
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心手術の効果は保存療法と長期にわたつて比較してはじめてその真価がわかる。しかしこうした比較は文献にもきわめて数少い。著者はRo—yal Victorial Hosp.の僧帽弁切開626例(うち妊娠合併28例を除く)を,保存療法諸報告と比較した。手術症例の77%は婦人,平均年令33.8才。手術はfinger fracture 61%であるが,その不成功例にはvalvoto—me 31%,transventricular dilator(8%)を用いた。手術死4.2%。右室肥大を伴つた症例に死が多い。20才以下の症例では手術死ゼロ。2回以上手術を行つたもの7%。その死亡は6%である。若いものは一般に成績が良い。術前重症disabilityは十分には回復しないが,経過を追つてみるとGrade 1,2というのがだんだん減つてゆく。術前細動のあつたものの回復は,それのないものより良くない。ECGで右室肥大の徴のあつたものの62%は正常化し,肺逆流の73%に雑音が消えた。この成績は直ちに保存療法のそれと比較するわけに行かないが,Rowe(1960)の250保存療法例は性別・年令別が著者例によく一致したが,Grade 4がRowe症例には極めて少い。かりにGrade 2を比較すると,手術療法では6年後の生存率92%,Rowe 58%で著しい差である。
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