Japanese
English
綜説
小児の肺機能について
Studies on Pulmonary Function in Infancy and Childhood.
石田 尚之
1
Hisayuki Ishida
1
1慶応義塾大学医学部小児科学教室
1Dept. of Pediatrics, School of Medicine, Keio University.
pp.141-152
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201072
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I.緒言
今までの呼吸生理学の進歩のあとをかえりみると,まず臨床的要請があつたことは勿論であろうが,戦後の測定器具の進歩により,第1に方法論が先行し,理論がそれにつづき,臨床的応用で実を結ぶという道程を通るの感が深かつた。即ち肺生理学の分野に於ては,今日の理論が明日への臨床へ直結しているの感を深くするものである。
ところが小児に於ては,この肺生理学の出発点であつた方法論に於て,すでに被験者の協力を得られないという最大の難関があり,又器具を特別に小児用に作らねばならぬという面倒があり,それに何よりも臨床的要請という"後おし"が弱かつたということがある。そのため成人の肺機能検査に関する数多くの業蹟に較べ,小児の分野のみひとりとり残された感のあることは事実である。
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