Japanese
English
方法と装置
人工肝臓
Artificial liver.
杉浦 光雄
1
,
坂本 啓介
1
,
久保 忠
1
,
角田 昭夫
1
,
阿部 秀一
1
,
鈴木 茂
1
,
堀原 一
1
,
三浦 健
1
,
小島 靖
1
,
小倉 正久
1
,
市原 荘六
1
,
山崎 善彌
1
,
豊島 範夫
1
Mitsuo Sugiura
1
,
Keisuke Sakamoto
1
,
Tadashi Kubo
1
,
Akio Tsunoda
1
,
Shuichi Abe
1
,
Shigeru Suzuki
1
,
Motokazu Hori
1
,
Tsuyoshi Miura
1
,
Yasushi Kozima
1
,
Masahisa Ogura
1
,
Soroku Ichihara
1
,
Zenya Yamazaki
1
,
Norio Toshima
1
1東京大学医学部木本外科
1The IInd Department of Surgery, Tokyo University, School of Medicine.
pp.183-194
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200868
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I.緒言
門脈圧亢進症の外科的治療についての諸問題は屡々討議され発表1)2)3)されているのであるが門脈下大静脈吻合術(Eck氏手術)後発生するEck氏瘻症状群も一つの大きな問題である。教室でのEck氏瘻症状群の発生率(第1表)は手術にたえた症例30例中6例を数え,20%の頻度にみられ,Child氏ら4)は74例のEck氏手術中15%の発生をみ,Hallenbeck氏ら5)によれば23例中6例にEck氏瘻症状群の発生をみている。Eck氏瘻症状群そのものは放置しても自然寛解することもあるが,著者らの症例の半数が種々の治療にもかかわらず死亡する様に相当数の死亡はまぬがれない。またEck氏瘻症状群と様相の異る肝性昏睡も外科手術後に見られることが多く,門脈圧亢進症の症例でも12例が術後肝性昏睡で死亡し,木本外科教室での昭和27年4月から昭和33年12月までの肝胆道系手術例435例中所謂肝臓死,肝腎症候群を除外して13例がみられ,その全例が閉塞性黄疽を有するもので著明な肝機能障害を伴う症例である。この様な肝性昏睡に対して内科的治療として用いられている副腎皮質ホルモン,抗生物質,グルタミン酸ソーダ,アルギニン等を投与し,一時的な臨床症状の改善をみた症例もあるが結局肝性昏睡の症状出現以来19日以内に全例が死亡している。
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