シンポジウム 血管カテーテル法による診断と治療・1
小児腎および後腹膜腫瘍の血管造影診断
日台 英雄
1
,
福岡 洋
1
,
西 寿治
2
,
角田 昭夫
2
,
近藤 治郎
3
Hideo Hidai
1
,
Hiroshi Fukuoka
1
,
Toshiji Nishi
2
,
Akio Tsunoda
2
,
Jiro Kondo
3
1横浜市立大学医学部泌尿器科
2神奈川県立こども医療センター外科
3横浜市立大学医学部第1外科
pp.59-63
発行日 1979年1月20日
Published Date 1979/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202681
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はじめに
小児の腎および後腹膜腫瘍での血管造影診断は,これら疾患が早急な手術を要すること,手技上の問題,合併症,血管像所見が成人の腫瘍に比し乏しいなどの理由で在来はあまり行なわれなかつた。しかしながら,近年小児血管造影技術の進歩1〜3)と普及につれて小児腫瘍でも診断の確定,局在性や他臓器浸潤の有無,転移などに関する情報,支配血管(feeding artery)や他臓器からの血流(parasitic blood supply)を術前に知つて手術を容易ならしめるなどの意義がみとめられるようになり,診断と治療方針決定に不可欠であるとされるまでにいたつた。
一方,これらの血管像所見についてはいまだに比較的少数例について検討されているにすぎないこと,造影技術の進歩した現在でも合併症を生じやすいこと,動脈撮影や静脈撮影に日時をついやすといつた欠陥も指摘されている。われわれの小児血管造影経験も豊富とはいえないが,上記諸問題につき若干の検討を加えてここに報告する。
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