巻頭言
医学の世代—進歩とは真実を探求するこころのあらわれではなかろうか
杉江 三郎
1
1東京医科大学
pp.595
発行日 1959年7月15日
Published Date 1959/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200786
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ひとびとに世代があるように,医学の世界にもまた世代があるように思われる。祖父から父の時代,自分から子供の時代へと,その世代を数えてみると,大体20年から30年の間隔をもつて,それらの世代がめぐりくるように思われる。
そこでこれら時の経過を観察してみると,年々のうつりかわりは連続していて,その間に著るしい差異はないようにみえていても,世代となると明かに違つたものとなつてくる。医学の世界においても,日日の進歩の累積がそのあゆみの基礎となるものではあるが,20年,30年の時の経過では,著るしく違つた医学の世代を形成してくることになる。この間の省息は30年前の父の時代と現在の様相とを比較してみれば一目明瞭であろう。
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