特集 看護婦と注射
山形事件は医療行政貧困のあらわれ—日本看護連盟の立場
浅野 花子
1
1日本看護連盟
pp.21-23
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912056
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■患者も看護婦も被害者
山形県の《静脈注射事件》は,岩淵看護婦さんの最高裁への上告が却下され,行務上過失罪が確定して一刑事事件としてはすでに落着いてしまいました。けれど,この事件を契機として《看護と静注》の問題が,改めてすべての看護従事者の前に提起されることになりました。
ことに,最近の厚生省などの動行を考え合わせますと,それは,ただでさえ混迷している看護条件をさらに混乱させ,大きな社会問題にさえなりかねない要因を含んでいます。私たちは,日常の《医療の場》をここで,もういちど熟視し,ふりかえって,静注問題を考える理論と姿勢をたしかめる必要に迫られてきています。
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