Japanese
English
診療指針
最近の降圧剤
New Antihypertensive Drugs.
菅 邦夫
1
Kunio Suga
1
1関東逓信病院内科
1Kanto Tele-communication Hospital.
pp.27-30
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200851
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
「最近の」という時期を,一応Hexamethonium, Hydrazinophthalazine, Rauwolfia serpentina剤以降のものとして述べることとする。新しい降圧剤の探求は,抗生剤などにおけると同様に,世界のいたるところで次から次へと新しいものが発見せられ,合成せられ,あるいは導入せられて,動物実験や薬理的研究や臨床実験に供されている。その数は実に莫大なもので,とても渉猟しつくせるものではない。しかしその大部分は,過去においても多くのものがそうであつたように,充分な価値をみとめられるにはいたらないで,だんだん後方におしやられ,その中に忘れられてしまう。新しく採り上げられるものの中で,確実に降圧効果を認められ,副作用も少なく,臨床的に用いて有益であると評価せられるようになるものは,すべての中でごく少数にすぎない。しかもこのような見透しを得るようになつたころには,それらの薬剤はもはや最新のものとはいえないほどに,出現後時日を経過しているのが通例である。
以下に挙げようとするものは,まだ実験途上にあつて,治療薬としての将来の価値は現在まつたく不明であるというようなものでなく,すでに臨床効果やその特性も判明し,治療薬としての一定の地位を与えられつつあるものを主として採り上げるので,したがつて「最新の」という意味の新鮮さは薄らいできているものばかりになることをお断りしておかなければならない。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.