Japanese
English
原著
バリストカルジオグラムの研究—1.バリストカルジオグラムの理論的特性
Studies on the ballistocardiogram.: I. Theoretical properties of the BCG.
渡辺 良孝
1
,
鈴木 正
1
,
小林 曠
1
,
鈴木 荘一
1
,
井上 明之
1
,
崎野 滋樹
2
Yositaka Watanabe
1
,
Sigeki Sakino
2
1東京厚生年金病院
2文部省統計数理研究所
pp.209-213
発行日 1959年2月15日
Published Date 1959/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200733
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1.バリストカルジオグラムの物理的特性
バリストカルジオグラムとは心臓及び血管内の血流の変化によるimpulseの記録である。Im—pulseは躯幹に伝えられ,身体全体の運動が歪として記録される。現行のballistic bedを用いて身体の振動を測定したときの身体及びballistic bedの物理的性質を検討して見よう。
身体の重心の変位は心博出力及び血流移動方向により支配され,更に台の変位はその特性に従つて身体の重心の変位或いは心作業能力に比例する。従つて記録された曲線はBCGの型によつて身体の重心の変位或いは心機能の時間的変化を現わしている。周知のようにBCGの型としてはlow frequency型,high frequency型の2つの型があつて以下に述べるようにlow frequency型BCGは身体の重心の変位を,high frequency型BCGは身体の重心の加速度を現わしている。今日,BCGの型として上記の型式に関して種々論議されているが2),われわれが何を測定しようとするかによつて自ら型も決定される。而も記録曲線の波型について,位相,振巾,周波数の3つの要素を同時に問題にする限り,今日流行しているlow frequency型がballistic forceを測定するよりよい方法であるという結論を導くことは難かしい。
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