Japanese
English
綜説
気管支—肺循環—その体系と意義
Broncho-Pulmonary Circulation:Its System and functional implications
中村 隆
1
Takashi Nakamura
1
1東北大学
1Ist Internal Clinic, Faculty of Medicine, Tokoku University
pp.87-99
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200717
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緒言
従来,肺循環障碍の諸相は肺動・静脈なる単一のSystemに立脚して解釈せられてきた。気管支動・静脈と肺動・静脈との間に密接な関連性のあることは19世紀初頭以来形態学的には逐次解明せられてきたが,肺生理学の分野において全く顧みられなかつた。これはいつに心肺生理に関する検索方法が幼稚であつたことに由来していた1)。
従つて私は近年著しく発達した心肺生理学の新しい技術を活用して,先人の跡を振り返りつつ気管支循環路と肺循環路との関連性を改めて検討する必要を痛感し,数年来この方面の研究にたずさわつて来,気管支—肺循環なる新しい概念を提唱するに至つたので,その体系と意義について述べる(第1図)。
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