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トピツク
日本人肺機能の標準値に関する研究—第1報:肺活量,最大換気量について
On the predicted value of pulmonary function tests in normal Japanese.:Ist Report: Vital Capacity and Maximum Breathing Capacity
海老名 敏明
1
,
金上 晴夫
1
,
桂 敏樹
1
,
青沼 賢治
1
,
白石 晃一郎
1
Toshiaki EBINA
1
,
Haruo KANAGAMI
1
,
Toshiki KATSURA
1
,
Kenji AONUMA
1
,
Kooichiro SHIROISHI
1
1東北大学抗酸菌病研究所
1The Research Institute for Tuberculosis and Leprosy, Tohoku university
pp.999-1013
発行日 1958年12月15日
Published Date 1958/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200702
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I.はしがき 近時肺機能検査法の進歩とそれが臨床への応用はめざましいものがあり,単に肺疾患の診断ばかりでなく,或いは治療効果の判定に,或いは胸部手術の適応判定等,肺機能検査法の肺疾患における臨床検査法としての重要性は今更改めて述べる迄もない。全ての臨床検査法に於て最も大切な事はその検査法の正常人に於ける標準値を決める事である。肝臓機能検査法にしろ,腎臓機能検査法にしろ正常人に於ける標準値なくしてはその検査法の成績が病的か否かを判定する事は出来ない。
肺の機能は基本的にはガス交換にあるが,その過程として換気機能,肺内ガス分布,肺胞毛細管膜に於けるガス拡散,肺の毛細管血流(肺循環)の4つの機能があり,欧米に於ては之等4つの機能の検査法についてそれぞれ正常人の標準値が決定されている。しかしながら体格の異る欧米人の標準値がすぐ日本人にあてはまるとは限らず,出来るならば現在世界で用いられている最新式の装置を用い,標準となつている測定方法に従つて,日本人についての測定にもとづいた標準値を作る事が最も望ましい。われわれはこの点に深く着意し,各種肺機能の標準値決定に着手し,今回は換気機能検査の中,臨床上最もひろく用いられている肺活量と最大換気量の標準値についての最近新に得た成績を報告する。
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