Japanese
English
原著
間接肺活量及び肺葉分劃肺活量の測定に就て
Estimation of Indirect Vital Capacity and Separated Vital Capacity of each Pulmonary Lobes.
谷向 茂作
1
,
辰井 半五郞
1
,
澁谷 敏男
1
,
平林 浩太
1
,
松本 胖
1
,
中原 健三
1
Sigenari Tanimukai
1
1大阪大学医学部第一外科
1First Surgical Clinic, School of Medicine, Osaka University
pp.311-318
発行日 1955年5月15日
Published Date 1955/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200240
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緒 言
胸部疾患の治療に当り,最近心肺動態の研究が盛んになり肺の気相,血液相の両面から病態生理が検討されて微細な点迄も解明される様になつた為に合理的且安全なる治療方法を行い得る様になつた。然し胸部手術施行に際し最も信頼度が高い肺機能は肺活量である。
肺活量は1846年Hutschinsonが記載して以来最も頻繁に肺機能測定に利用されて来て居るが,1932年Jaocbaeusが左右別肺活量の測定法1)を考察し,更に1939年Gebauer2),1940年Zavod3)等が挿入管の改良に就いて考案し,1949年Carl—ens4も之の研究を行い,優秀な挿入管を作製した為左右別の肺機能の測定が可能となり健側肺,患側肺の機能が別々に測定され,肺機能に対する考え方が進歩した。然し乍ら各肺葉別の肺機能検査は最近直達療法が発達するに従い,その必要性が高くなつたに不拘,良き方法を得るに至らなかつた。1952年Knipping5)等が始めて各肺葉別肺活量の測定を行わんとしたが成功せず,1953年Anacker6)等も此の研究を行つたが満足すべき結果が得られなかつた。
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