増大号 極める!呼吸機能検査 患者を診る力が成功のカギ
3章 スパイログラムと患者状態から読み解く失敗例とその対応(肺活量測定)
吸気肺活量が呼気肺活量より小さい
清水 康平
1
1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
キーワード:
最大努力
,
力みすぎ
,
検査理解不十分
Keyword:
最大努力
,
力みすぎ
,
検査理解不十分
pp.164-165
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530020164
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原因分析
通常,吸気肺活量と呼気肺活量はほぼ同等となるため,吸気肺活量と呼気肺活量の差が大きい場合は小さいほうの肺活量はうまく吸えていない,または吐けていない可能性がある(図).
患者側の検査理解不十分や力みすぎなどのほか,手技的要因も考えられる.また,神経筋疾患においては吸気肺活量よりも強制呼出の肺活量が大きくなる.しかし,再現性が乏しいデータになることも指摘されている1).また,吸気と呼気で使う筋肉の違いから吸気肺活量と呼気肺活量が異なることも同様に指摘されている.少し勢いをつけて吐くほうが吐きやすい患者もいることを念頭に置くことも大事である.特に呼吸筋減少の患者や若年層は勢いをつけるほうが吐く量が多い傾向にある.
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2028年2月29日まで)。
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